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  • 乾美紀

更新日:2021年11月23日

姫路市:多文化共生のためのプロジェクト、ラオス交流会

 姫路市内には多くのインドシナ定住難民が居住していますが、彼らの文化や言語を継承するための機会はほとんどなく、日本生まれの子どもたちがベトナムやラオスの文化や言語を知らないままで成長しています。

 乾研究室では、彼らの文化の継承を定住難民と日本人が連携して行うことができるのではないかと考え、『姫路市政策研究助成事業』に応募して、幸運にも助成金を得ることができました。テーマは「文化の理解と継承を通じた多文化共生・国際交流の取り組み」です。ゼミ生はベトナム・ラオス人コミュニティを尋ね、それぞれのコミュニティのニーズに合った文化継承教室を、定住難民、それぞれの国の専門家、小学校の国際教室担当教員、大学教員、地域ボランティアなどと計画し、①ベトナム子ども教室 ②ラオス子ども教室を開催しました。


ラオス子ども教室:ラオス人と日本人が協力して教室を作り上げました


 この教室開催により、定住難民の子どもたちが自国の文化や言語を学ぶ機会を得たり、定住難民と日本人とが協働する喜びや難しさを感じることができました。ベトナム子ども教室では、ボートピープルとして来日した講師が教鞭を取り、ベトナムの歴史や地理についての講義に子どもたちは聞き入っていました。ラオス子ども教室では、ラオス人留学生やラオス専門家(乾)などが講師となり、ラオスの地理・歴史、ラオス語の書き方について学んだり、皆で伝統的なラオスの遊びを楽しみました。ラオス子ども教室では、ラオスに学校建設を進める学生協力団体CHISE(チーズ)がラオスの山岳地帯の様子を紹介し、日本とラオスのつながりについて理解を深めることができました。


 「何かを教える」という一方的な姿勢ではなく、「共に学ぶ」という姿勢を大切にした結果、コミュニティと私たち日本人の関係が構築でき、次の教室に向けての課題を議論することができました。助成金発表会でも、姫路市市長、各大学の学長、評者の先生の前で堂々と発表することができました。

その後、毎年ラオス定住難民のお正月に参加し、一緒にラオスのお正月を楽しんだり、ラオス語を習ったりしています(毎年5月4日に、姫路市マリア病院構内のジョセフ館で行っていますが、2020年、2021年は中止しています)。


 2021年11月には久しぶりにラオス人定住難民(2名)、日本に定住するラオス人研究者(2名)の方を招いて、ラオス交流会を行いました。ラオスに関心を持つ日本人学生14名、参加し、学生はラオスの方々を囲みながら、ラオスの文化や経済、難民となった過去、日本に定住してからの苦労などをじっくり聞き取る機会を得ることができました。国際学生協力団体CHISEは、これまで実施してきた校舎建設プロジェクトについて説明し、さらにラオスの人々にどのように貢献できるかについてラオスの人たちからも意見を聞くことができました。


2021年ラオス交流会の様子


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