外国人の子どもの未来を拓く教育プロジェクト(2014年-2015年、現在)
これまで外国人生徒が少しでも高校に進学できるような実践研究を進めて参りました。2014年、兵庫県内の大学教員12名が集まり、兵庫県の高校入試制度に「特別入学枠」を設けるための研究会を設立し、研究結果を県教委に提言するプロジェクトを立ち上げました。2012年末、兵庫県の在留外国人は9万7千人(全国7位)でした。近隣の大阪府、三重県、奈良県などには、全てまたは特定の高校に外国籍生徒を対象とした特別入学枠(試験は学力検査や作文、面接)制度があり、その制度を使って高校に入学することができますが、兵庫県にはその制度がなかったため、高校に行きたくても行けない子どもたちが溢れていました。この状況を改善するため、研究チームでは、兵庫県内の事情にあった特別枠案、高校入学後のサポート制度案について、研究会を開き提言書を作成しました。
2014年2月13日 神戸新聞記事
2014年7月2、8月に、西宮市、神戸市で中間報告会を開き、全国の特別入学枠についての調査結果や兵庫県における外国人生徒の高校進学について報告しました。2日間の報告会で、約80名が集まり、兵庫県にも兵庫県のニーズに応じた特別入学枠を作ることができるのではないかという意見などが寄せられました。
私(乾)は、2014年2月に神戸市のだいち小学校で行われた「兵庫県在日外国人教育研究協議会」の部会において、外国人の子どもたちが高校に進学できない状況を発表し、翌日の朝日新聞に掲載されました。
関連報告書1
外国人の子どもの未来を拓く教育プロジェクト(2015)調査報告・提言書「未来ひょうご すべての子どもたちが輝くために -高校への外国人等の特別入学枠設置を求めて-」Bookway
関連報告書2
兵庫県在日外国人教育研究協議会【兵庫県外教】(2021)「高等学校における外国につながる生徒支援ハンドブック すべての生徒が輝くために」
2015年10月、プロジェクトの活動が実り、2016年度より兵庫県の3校の公立高校に特別入学枠が設置されることになりました(県立芦屋高校、県立神戸甲北高校、県立香寺高校)。
2018年10月、再び動きが見られました。特別入学枠が2校増え、合計5校
(県立芦屋高校、県立伊丹北高校、県立加古川南高校、県立神戸甲北高校、県立香寺高校)で3名受け入れることなりました。さらに多くの外国人生徒が高校に入学できるようになりましたが、他府県と比較すると受け入れ人数は少ないのが現状です。
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